桃作り

桃作りについて

ちょいと長くなりますが、桃作りについての説明を…

桃作りは、収穫が終わった後の「お礼肥え」から始まります。収穫で弱った樹に速効性のある化成肥料を与えることで、樹勢を回復させると共に翌年出てくる枝・葉・花芽の成長を助けます。ちなみに、「今年も美味しい桃をありがとう♪」と感謝の気持ちを込めて肥料を撒く作業だから「お礼肥え」と言うそうです。

秋になると「土作り作業」と「秋季剪定(しゅうきせんてい)作業」が始まります。
土作り作業では、完熟堆肥・有機肥料・化成肥料・珊瑚・牡蠣殻などを畑に撒くことで、土地が肥沃になり、大きくて甘い立派な桃が育つようになります。
秋季剪定作業では、夏の間に大きく伸びた徒長枝を切って、中・短果枝に万遍なく日光を当てることで花芽の充実を図るのと共に秋季の農薬散布時に樹の内部まで万遍なく農薬がかかる様にします。
また、9月下旬には、翌年植える苗木を作る為に「芽接ぎ作業」、芽接ぎ作業で使う台木の「種まき作業」を行います。

12月~3月にかけては、枝を切る「剪定(せんてい)作業」が始まります。
この作業は、その後の桃の成長に大きく関わってくるので、桃農家の腕の見せ所。どんなふうに幾つ桃を実らせるか!?雪が舞う寒い畑の中で、スキーの誘惑に耐えながら、暑い夏の収穫時期を想像しながら、幹や枝を切って、樹形を整えていきます。また、この時期に「苗木植え作業」も行います。

春から初夏にかけては、余分な蕾(つぼみ)を摘む「摘蕾(てきらい)作業」、花粉を持たない花に花粉をつける「受粉(じゅふん)作業」、余分な花を間引く「摘花(てきばな)作業」を行い、その後は、収穫直前まで、余分な果実を間引く「摘果(てきか)作業」を3~5回程度繰り返し行い、最終的には30cmに1個程度の割合で桃を残します。蕾から桃になれるは、1/100個程度ってとこですかねぇ…。このように生育段階に応じて徐々に間引いていくことで、大きな桃に成長します。

また、晩生種は、防虫&防病対策・色付きを良くする為に幼果の段階で、果実に紙の袋を被せる「袋かけ(ふくろかけ)作業」を行います。かけた袋は、収穫時期の2週間前くらいに剥き、遮断していた太陽の光を一気に浴びせることで、より綺麗に色付く様になります。また、黄金桃・黄貴妃などの黄桃種は、太陽光を遮断し、綺麗な黄色に仕上げる為、袋を掛けた状態で収穫します。

収穫間近になると、果実に太陽の光を満遍なく当て色付きを良くし、糖度をあげる為、桃畑一面に銀色の反射シート(シルバーシート)を敷き、下面(地面)からも桃に光が当たるようにします。

ざっくりですが、以上が大まかな桃作りの流れとなります。

美味しい桃を収穫するため、どの桃農家さんもこのような努力を積み重ねてきています。それでも、その年、その年の気候などにより、桃の味は大きく異なってきます。とりわけ、収穫時期の天候はとても影響力が強く、収穫前に雨が降るだけで、糖度が1~2度ほど落ちることもあります。桃が天然自然の産物であることを改めて感じさせられます。

このように手間暇・愛情をかけて、大事に育てた桃をぜひ!ご賞味ください!!

(※)各種作業についての詳細を下記「作業詳細」に記載しておりますので、良かったらご覧ください。

作業詳細

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