剪定①

記念すべき!?第1回目は、剪定(せんてい)についてちょいと説明します。

剪定作業は、桃の成長に大きく関わってくる大切な作業で、一番の腕の見せ所です。
そのためとても奥が深く、全国各地でいろいろな流派があるようです。

そんな中、当果樹園では「大藤流」の仕立てを基本に剪定をしています。
「大藤流」は、山梨県塩山市の大藤地区で開発された仕立てで、4本主枝と弱剪定が特徴です。
ちなみに、最も一般的な開心自然系の仕立ては、2本主枝です。
「大藤流」の仕立てを開発した先生を慕い「大藤会」なる会が作られ、当果樹園もこちらの「大藤会」に所属しております。
この会では、2年に1回ほどの割合で全国大会が開かれ、北は秋田・南は岡山と全国各地から「大藤流」の桃農家が集まり、剪定の勉強をしてます。
下記写真は、管理人が初めて参加した福島で開催された2013年の大藤会全国大会の様子です。


続いて、剪定の目的について簡単に説明を。
桃は、葉っぱが落ちるまで枝が成長し続けるため、冬になって葉っぱが落ちたころには、枝が好き勝手に伸びて乱雑な状態になってしまいます。
このまま放っておくと、各枝に太陽光が万遍なく当たらず、光合成の効率が低下するため、甘くて美味しい桃ができません。そこで、剪定により余分な枝を切り落とし、樹形を整理していくことで、万遍なく太陽光が当たるようにします。
この他にも
・余分な枝で桃に傷が着くのを防ぐ
・作業性を良くする
・散布薬剤が内部まで十分入るようにする
などといった目的もあります。

剪定の様子として、大藤流(弱剪定)と開心自然系(強剪定)の先生の剪定をご紹介。
写真を見ると一目瞭然ですが、仕立て方が全く異なりますね。
この記事を書いてて改めて剪定の奥の深さを感じました。

まずは大藤流の先生の剪定前後のお写真





続いて、開心自然系の先生の剪定前後のお写真。



おまけってことで、愛用している剪定道具3点セット(剪定鋏・鋸・癒合剤)のご紹介。


愛用の剪定鋏は、就農した年に園主さんからクリスマスにプレゼントしてもらった「天命」。
ワンシーズン使っても全く切れ味が落ちず、素晴らしい剪定鋏です。
研いでもらうと新品同様になって戻ってくるのでリーズナブルで良いですな♪
(園主さんが長年愛用している「情張」は、もっとお高くて切れ味が良いようですが…
残念ながら生産終了になっており入手できませんでした)


「天命」は、切れ味が良すぎるようで、過去に指と腕を切っちゃいました…。
ここに生々しい写真をUPするのは!?ということで
ご興味のある方は、下記のブログ記事をご覧ください。

→  指切っちゃった腕切っちゃった

また、鋸は、丸源の尺1寸の中目・癒合剤は、バッチレートを愛用してます。

剪定道具3点セットの使い方としては、ペットボトルの蓋くらいまでの細い枝は剪定鋏で、それよりも太い枝は鋸を使って切ります。
癒合剤は鋸で切った大きな切り口に塗布します。
癒合剤には、「バッチレート」・「トップジンMペースト」などの商品があり、これらを切り口に塗布することで、雨水や雑菌の進入を防ぎ、癒合を促進し、枯れこみを防止します。

ちょいと長くなったんで「剪定②」に続きを…。

2021年01月31日