人工授粉

桃の人工授粉についてご紹介します。

多くの桃は、花粉を持っており自家受粉するのですが、中には花粉量が少ない品種・花粉を持たない品種もあります。これらの品種は、実をつけるために他の品種の花粉を受粉する必要があります。受粉が必要な品種としては、はつひめ・川中島白桃・黄ららのきわみ・西王母・ゆめかおりなどがあります。
(受粉:めしべが花粉を受け取る・授粉:人工的に花粉をつける)
受粉方法としては、自然受粉と人工授粉があります。
自然受粉は、他の品種の花粉が、風に乗って運ばれてくる・ミツバチ等の虫によって運ばれてくる等で自然に受粉すること。この場合、狙ったところに受粉させることができない・天候に大きな影響を受けるなどの問題があり、着果量を安定させることが難しくなります。
人工授粉では、採取した花粉を人工的に授粉させるため、手間はかかりますが着果量を安定させることができます。
今回は、こちらの人工授粉の様子をご紹介していきます。

まず、花粉を採取するため、あかつきからぷっくりした蕾を摘み取ります。


蕾1kgから粗花粉が25gほどしか取れないので、いっぱいとります。
当果樹園では、数日に分けて20kgほどの蕾を摘み取ります。


摘み取った蕾は、JAで開葯してもらい粗花粉にしてもらいます
黄色く見えるのが花粉です。


こちらの花粉精選機で粗花粉から純花粉を取り出し、石松子(せきしょうし)と混ぜます。


ふるいに粗花粉を入れて


2倍量の石松子を入れます。


石松子とは、こちらの増量剤。ヒカゲノカズラの胞子です。


ハンドルをグルグル回してこしていきます。


すると下のトレーに混合花粉が出来上がります。
これで、花粉の準備が終了。


続いて、人工授粉で使う機械をご紹介。

まずは、ミツワのラブタッチ。
白いタンクの中に混合花粉を入れて電源を入れると、連続して混合花粉が送り出されて先端のダチョウの羽に付着します。


続いて、星野のビッグダディ。
オレンジ色のタンクに混合花粉を入れます。こちらはボタンが付いており、押した分だけ混合花粉が供給されます。


これらの機械を使って、人工授粉をおこないます。
しっかり受精させるために15℃以上の暖かい日に行います。



おまけとして、自然の知恵?をご紹介。
写真は、花粉を持たない川中島白桃の花です。


同じ枝に白い花とピンクの花が交互に並んで咲いています。
なぜ花の色が違うのか?というと咲いた時期が異なるからです。
桃の花は、咲き始めは白く、3~4日くらいでピンクになっていきます。
この品種は、花粉がないので、ミツバチ等の力を借りて受粉しなくてはいけないんだけど、気温が低かったり・雨が降ったり等と条件が悪いと受粉できません。
そこで、開花時期をずらすことで花が咲いている期間を長くして、受粉のチャンスを広げています。
そう考えると、自然は賢いですね。
ちなみに、花粉がある品種は一度に開花します。

2021年02月11日