剪定②

若木の剪定(大藤流の骨格作り)について、簡単に説明していきます。
2017年の年末に植えた「大寿蜜桃」の成長をおって、剪定の様子をご紹介したいと思います。
(1年目の写真がなかったので、他のもので代用…)

1年目(植え付け時)

植え付け時は、葉芽が10芽程度あることを確認し、50cm程度の長さに切り戻します。
切り口には、しっかり癒合剤を塗布します。
(2020年12月下撮影)


 

2年目

早く幹を太らせたいので、2年目の木は基本的には剪定しません。
樹形を乱しそうな強い枝が出てきた場合などは、秋季剪定時に切るか、誘引して弱らせます。
(2018年9月下旬撮影)


右端の主枝候補の枝が立っていて強くなりそうだったので、誘引して枝を開いてあげました。
(枝に癖をつける為、翌年の6月ごろまで、誘引しておきます。)
写真だとわかりにくいけど、中心に強い枝が3本立ってます。
これらの枝は、
・栄養を引っ張ってくれる
・主枝候補の枝をけん制して広げてくれる
などの理由で、切らずにそのまま残しました。

 

●3年目

中心にあった3本の枝()が一段と元気になってます。
これらの枝のおかげで、根元部分から出た主枝候補の枝()が程良く開いてくれました。
昨年の時点では、主枝候補の枝は中心の枝と比べて細かったんだけけど、同じくらいの太さまで成長しました。
(2019年12月末撮影)



さて、本題の剪定です。
まずは中心の元気な枝ですが、主枝候補をけん制しつつ成長の邪魔にならないよう、先端を切り落とし小枝を間引きました。
続いて主枝候補の邪魔になる周囲の枝を間引き、最後に主枝候補の枝を整理して、剪定終了。


また、「桃栗三年柿八年」ってことで、3年目から桃をならせます。
木が小さいので、着果量は200個程度とまだ戦力にはならないんだけど…
・桃の重さで主枝を広げる
・木になり癖をつける
・実の状態を確認する
などの理由で、木の大きさに対して少し多めに着果させました。
(2020年6月末)

 

●4年目

春先の異常気象等による結実不良により、最終着果数が予定より大幅に減って20個程度になってしまいました。
そのため、枝は良い感じに成長してくれたんだけど、主枝候補は期待してたほど開いてくれませんでした。
(2020年12月下旬撮影)


さて、剪定ですが、主枝候補がしっかり育って、中心の枝よりも太くなってくれたので、今回で主枝4本()を決定しました。


まず、左端の主枝が一番下から出ていて勢いが強いので、他の主枝とのバランスをとるために誘引しました。
次にけん制で活躍してくれた中心の枝ですが、無事に役割を終えたので、50cmほど残して切りました。
必要ないので根元からバッサリいきたいところですが、一度に切ると枯れ・暴発等が発生する恐れがあるので、1~2年かけて切っていきます。
続いて主枝の邪魔をしている周囲の枝を切って、主枝を整理して、剪定終了です。


●5年目(2021年12月12日追記)

春先に50年に一度レベルの大凍霜害が発生し、今までに経験したことのない大きな被害を受けました。この木も満開時の霜で雌しべが焼けてしまい、300個ほど実を着ける予定が、最終着果数が10個程度になってしまいました。そのため、木が暴れてしまい予定していた樹形になりませんでした。(2021年12月下旬撮影)


着果量が異常に少なかったことで、実は大きくなり例年の2倍程度の1100g程度まで育ちました。(2021年10月下旬撮影)


さて、剪定です。まずは、去年残しておいた中心の3本の枝を根元から伐採しました。続いて、徒長枝&強い枝を伐採して、終了です。着果量が異常に少なかったことで、なり枝が十分に育たず、寂しい感じになってしまいました。来年は、しっかり着果させて木を落ち着かせ、側枝を作りたいと思います(2021年10月下旬撮影)


●6年目(2023年1月23日追記)

期待していたほど主枝が下がってくれませんでしたが、良い感じの樹形になってきてきました。樹形を維持するためまずは、徒長枝・強い枝を切ります。続いて、側枝になりそうな枝があったので、誘引して矯正を。最後に枝を整理して終了。今年はいっぱい収穫できるかな。(2023年1月中旬撮影)




2021年02月04日